Outline
2023年のマルニ木工の映像の音楽をinvisi fellowの米田が担当しました。 今回の楽曲では新たに加わった4つのカラーの椅子にちなんだ、声楽による4つのメロディーラインと弦楽四重奏で、新たな空間イメージの表現を試みています。
Staff
Director | Tsukaya Suzuki |
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Music | Nozom Yoneda |
Sound Mixer | Shinya Kikuchi |
CECILIE MANZ | MARUNI COLLECTION 2023
https://www.maruni.com/jp/videos/cecilie-manz-maruni-collection-2023
「音楽と人の声」
人間は声帯という音を出す専用の器官を持って生まれました。誰かがメロディーを歌うと、隣人がユニゾンやオクターブを歌い出し、次第に三度や五度のハーモニーが自然発生したのでしょう。その後、記譜をはじめた文明は高度な和声を作り出して、現代の音楽は現在の形となりました。
そして、より美しく大きな影響力のある音を鳴らしたいという、そういった願いから器楽を進化させて、人は声を拡張していきます。身体に備わった以上のパフォーマンスを道具を使って達成しようと、音楽の世界では早い段階で、ある種のサイボーグ化が始まったのでしょう。
今ではコンピューターを使い、現実には具体化が不可能な音楽までをデータ上で構築し、生成して、地球の隅々にまでに音を届けることができるようになりました。しかし、このような能力を獲得した後でも ”歌” の力は少しも衰えてはいません。音楽の中心に、音楽そのものと言えるような立場で強固に鎮座し続けています。
米田 望