第3回目は、インビジ事務所にて春に行われた新年会 その時に集まったメンバーに、好きな1曲をあげてもらい、その曲にまつわるエピソードを語ってもらい、Spotifyのプレイリストにまとめました。
それぞれのルーツ、人生を変えた1曲、甘酸っぱい話もありw これはまさにインビジから打ち上げられたゴールデンレコード、もしくはインビジのアカシックレコードにもなりうる神回なのか!?!?
今回もお楽しみ下さい!!
m-flo『come again』 それまでアンジェラ・アキとか平原絢香とか女性ディーパ系の曲ばかり聴いていたけど「ダンスミュージック」ジャンルを聴いて「ツーステップ」に衝撃を受けました。 こんなテンポが早いノリノリの曲があるんだ! それから徐々に、ハウスなども聴くようになったんです。 m-floにはいろいろ人生を動かされたと思います。
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大好きなコールドプレイの『イエロー』は、祖母が入院している病院に向かうクルマのラジオで流れてきて、それから好きになったんです。 私が子どものとき、両親はとても忙しくて祖母が育ててくれて、親よりも近い存在でした。 おばあちゃんっ子だったんです。 祖母が亡くなったときはたくさん泣きました。 でも、この曲を聴くと落ち着けます。今でも聴いてます。
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ずっと聴いてる曲っていうと、キミドリの『自己嫌悪』ですかね。 90年代日本のヒップホップにはまっていて、93年リリースのこの曲は、なにかの度に聴いています。「やけのはら」なんかもカバーしている曲です。 日々の生活の中の小さな自己嫌悪を歌っているようなリリックで、結果的にはポジティブな歌です。 ”地に足のついた反抗” みたいな世界観が好きですね。
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土岐麻子『モンスターを飼い馴らせ』ですね。 中学生くらいからずっとバンドでベースをやっているのですが、当時メロコアなどが流行っていて、ダウンピッキングがいかに早くできるかが正義みたいなところがありました。 この曲はすごくポップで、ルート弾きしか知らなかった片田舎の高校生の僕にとって、美しくカラフルで、ベースの可能性に気づかせてくれた。 人生のなかでいちばん練習した曲かも。今でもたまに聴いてます。
ルート弾きベースライン
ゲームの曲に好きなのが多いんですけど、今回は趣向を変えて マツケンさんと出会って初めて教えてもらった音楽がスクエアプッシャー そのとき渡されたCDが『Hard Normal Daddy』でした。 その後ずっと経って『Iambic 9 Poetry』がリリースされて、それまでの彼が狂気を孕んだ人みたいな印象でその価値観をぶち壊すような曲がきて、めちゃくちゃ衝撃的ですごい好きになりました。本当はこういうことやりたい人なのかな、なんて思ったりしました。
インビジは、スクエアプッシャーの曲をロボットバンドが演奏する「Z-MACHINE」というプロジェクトをやりました。
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イタリアの真ん中の田舎育ち、1年くらいインターンとしてインビジに所属。 日本在住4年目。
父親が熱烈なクラシックファンだったので、ずっとクラシックは聴いてました。ビバルディとか今でも聴きます。
とても好きな音楽家は、実験音楽をやってる中村としまるさん
1曲選ぶのは難しすぎるから、アルバムをひとつ挙げます。
テイム・ヘッカー『Ravedeath, 1972』です。僕にとって神様みたいな人です。
テイム・ヘッカー
某音楽大学付属幼稚園に通っていた際、園では朝、ビバルディの『春』がループしていました。
ロレンツォさんからの話の流れで、自分の1曲はこれにします。 定番のイ・ムジチ合奏団ではなく、カラヤン指揮ベルリンフィルの演奏が好みです。
イ・ムジチ合奏団
マイルス・デイビスって人は、ジャズに革命を起こしたり、ジャズをヒップホップまで繋げたような人ですが、『マイルストーン』っていう有名な曲があって、僕のテーマ曲だって思っているところがあって。
有名なブラフのリフ「ぱっ、ぱっ、ぱっぱ、ぱっ、ぱっ、ぱっぱ」って、僕が勇ましい気持ちになるとそのテーマが流れるような気がするんです。
マイルスの凄さって、ジャズを「コード」の音楽から「モード」に移行させたんですよね。現代はモードだらけで誰もモードの話なんてしなくなってますが、その重要さは今も続いています。もともと民族音楽の世界ではモードなんてあたりまえ、もしかしたらアフリカに戻してくれたのがマイルスなのかもしれませんね。
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自分の人生を変えた一曲っていうと、ブライアン・イーノ『ミュージック・フォー・エアポーツ1/1』かな。
当時、音楽の専門学校で僕はギターを専攻していて、音楽史の授業で午後のちょうど西日が差してくる一番眠い時間帯に先生がブライアン・イーノを紹介してくれて。
それまで音楽でエゴイスティックに自己表現することしか知らなかったギター小僧が、何かのための音楽ってあっていいんだ!って、デザインとアートの境界を初めて意識した、自分にとってはすごく重要な一曲です。
イーノも作曲のために色んな楽器を使っていて、僕も日本の古い楽器「笙」や、最近だとペルシャの「サントゥール(百の弦という意味)」などよく弾いています。 頭でわかっていても、自分で実際に演奏してみるというプロセスを経ることで体感する、わかることってあるんですよね。
自分はメロディーやリズムで曲のドラマを聴かせるというより、テクスチャーで繊細な響きを聴いてほしいなと思っています。
アジアの楽器図鑑
「笙」
「サントゥール」
以前働いていたイベント会社で、マニュエル・ゲッチングとジャー・シャカが好きな上司がいたんですね。で、これを聴いておいたほうがいいって色々貸してくれて。
一曲って言われると、マニュエル・ゲッチングの、アルバム1枚で1曲になっているような『E2-E4』ですね。
僕はずっとギター弾きで「モノリス(monols)」っていう活動もしているんですが、そこにも影響しています。こういう表現、こういう世界を作れるんだ。って感じました。今は亡き野外フェス「メタモルフォーゼ」が終わる2年前くらいに来日して『E2-E4』を生で演奏するという機会があったんですが、そのとき直接会えて、サインも貰えて。今では家宝になっています。
※トーク中に話題にあげていたマニュエル・ゲッチングのE2-E4はSpotifyに公開されていなかった為、Manuel GöttschingのソロプロジェクトバンドAshraのアルバム「correlations」から“oasis”をセレクトしています。
コォリレイションズ / アシュラ
マニュエル・ゲッチング インタビュー
Monols
女の子に振られたとき、自分を癒すために曲を聴く、人間誰しも”一人称のドラマ”を見ているわけじゃないですか。
そのときの甘酸っぱくも気持ちの良い思い出が、こんな曲たちと共に蘇るんですよね。 カンタベリーロックの代表的存在、ソフトマシーンの元ドラマー、ロバート・ワイアットの『ヨランダ』あとこれ、スティーブ・ウインウッドの『ヴァレリー』
それから、ポール・マッカートニー&ウィングスの『マイ・ラブ』ですね。若かりしマツケンに刺さってしまいました。
ソフト・マシーン創設メンバー、ロバート・ワイアットのサウンドへの冒険