第2回目に登場するのは、invisi fellowsの米田望 (よねだのぞむ)
米田の目指す反器楽的音楽とは?
また、写真家として壁を撮り続けながら、都市のサウンドスケープを音楽へとコンバートするアーティスト”Nonturn(ノンターン)”とは?
インビジ小田部とCD HATA が、その音楽遍歴を紐解き謎に迫っていきます。
- 米田望 : サウンドトラックを得意とする作曲家。フィールドレコーディングを音楽に変換し、抽象的な写真作品なども制作するアーティスト “Nonturn(ノンターン)”としての活動も続けている。インビジfellowsとしても活動中。
1977年生まれ。石川県金沢市出身。東京都在住のフリーランスの音楽家。映像の音に関するプロフェッショナルとして数々のプロジェクトに参加している。作曲、編曲、サウンドデザインだけではなく、セルフ・プロデュースでの企画から制作まで、幅広い工程をこなす自己完結スタイルの現代的な作曲家。
JAZZ理論を学んだ後に、クラブ・ミュージック、映画音楽、電子音楽などを経験し、それらの影響を受けたハイブリッドな技法を用いてジャンルにとらわれない映像的な表現を試みている。現在は広告や娯楽作品など、映像コンテンツのサウンドトラック制作を生業とししながら、同時にフィールド・サンプリングで音楽を構築するエクスペリメンタル・アーティストとしても活動中。
- 小田部 : インビジのデザイナー、エンジニア。オリジナル楽器/オブジェの設計デザインも担当
- CD HATA : Dachamboのシンセサイザー担当、テクノDJ、AbletonMeetupTokyoの運営、DTM講師。
米田と同じくインビジfellowsとしても活動中。
実は米田とCD HATAは実は20年前からのつながり...ということが、昨年インビジ主催の勉強会で判明した。
建築設計士である父親が自宅で作業しながら流していた音楽の中で異彩を放っていた冨田勲の『展覧会の絵』が好きだった。当時3歳。最初の音楽的記憶
ヒットした前作『月の光』で発売元の米国及び日本でも知られるようになった冨田勲が、続けてリリースした作品。1975年8月16日付けのビルボード(クラシカル・チャート)で1位にランキングされている。原曲はモデスト・ムソルグスキー作曲のピアノ組曲『展覧会の絵』である。冨田自身の解説によると、前作の『月の光』の制作が14ヶ月かかっているのに対して、本作ではスピードを上げて7ヶ月で完成させたとのことである。
同時に地元金沢の葬儀屋TVCMでかかっていたのが、原曲(ムソルグスキー)の『展覧会の絵』どちらも繰り返し何度も聴いた。
少し成長してからはゲーム音楽(8ビットサウンド)に夢中
小学生になり「塾に行くか、ピアノを習うか、どちらか選べ」と親に言われピアノを選択。お決まりのバイエルからゲーム音楽に加え、レンタルCDショップで「ザ・ベストテン」にチャートインしている歌謡曲を毎週チェックブルグミュラーはダサくていやだ、とピアノの先生に伝えたところ、歌謡曲を易しくアレンジした譜面を作ってくれ、それらを練習するように。
中2でエレキギターを手にし、当時流行っていた日本のロック〜BOØWYやZIGGYなど〜を弾く。
BOØWY (ボウイ)は、日本のロックバンド。1980年代に活躍。1981年、群馬県高崎市出身の氷室京介、布袋寅泰、松井恒松を中心に東京で結成される。初ライブ後に高橋まことが加入し、1982年に『MORAL』でレコードデビュー。当初は6人編成だったが同年秋に2人が脱退し、以降は解散まで4人編成で活動する。
ZIGGY (ジギー)は、1984年に森重樹一を中心に結成された日本のロックバンド。結成以来、メンバーの脱退・加入・復帰を繰り返し、2008年2月に無期限の活動休止を発表した後、2010年、2014年に期間限定でLIVEのみ活動、2017年に10年ぶりの新曲リリースと全国ツアーを開催し精力的に活動を再開。現在の正式メンバーは森重樹一のみである。また、一時期はSNAKE HIP SHAKES(スネイク・ヒップ・シェイクス)という名義で活動していたこともある。
自分は「遅れてきた“イカ天”世代」当時は流行ったものを後から知る感じだった。
『三宅裕司のいかすバンド天国』(みやけゆうじのいかすバンドてんごく)とはTBSで放送された深夜番組『平成名物TV』の1コーナーである。1989年2月11日に始まり、1990年12月29日に多くのバンドを輩出して幕を閉じた。その後2007年12月30日に「あの伝説の番組再び!"イカ天2007復活祭"名物バンド激レア映像 今夜限りの大放出スペシャル」と題し、17年ぶりに復活した。
“イカ天”の審査員としても有名な吉田建さんが実は父親の同窓生。去年3人でお茶をし激励された。
中3でキング・クリムゾン→フランク・ザッパを経てJAZZ沼へ
King Crimson - I Talk To The Wind
1970年前後のジャズギターから入り、時代を逆行して、モード・ジャズ(Modal Jazz)へ
モード・ジャズの代表的アルバム『カインド・オブ・ブルー』(マイルス・デイビス)
Miles Davis - Kind Of Blue (Full Album)
その後マイルスはファンクへ。踊れるジャズへ変形していくのも好きだったし、ジョン・コルトレーンのようにフリー・ジャズへ進化していく、スピリチュアルな方面も好きだった。
John Coltrane - Om FULL ALBUM
フリー・インプロビゼーション(即興)、難解、無意味、アブストラクトなものへの興味が強くなる。
著者:ジョン・コルベット(John Corbett)
1963年生まれ。シカゴを拠点に活動する音楽批評家、ミュージシャン、プロデューサー、キュレーター。レーベル兼ギャラリー〈Corbett vs. Dempsey〉主宰。著書に、Extended Play: Sounding Off from John Cage to Dr. Funkenstein(1994年)、Microgroove: Forays into Other Music(2015年)、A
Listener’s Guide to Free Improvisation(2016年)、Vinyl Freak: Love Letters to a Dying Medium(2017年)、Pick Up the Pieces: Excursions in Seventies Music(2019年)。
Derek Bailey, Motoharu Yoshizawa, Toshi Tsuchitori 1978@Kyoto
今となっては何故興味を持ったのかわからない。 現在は、フリー・ミュージック(フリー・インプロビゼーション、フリー・ジャズ)は完全否定
すべてがいやになって、渋谷のクラブへ時はジャングル、ドラムンベースの時代
ドラムンベースDJとなり、UKからデビュー
ドラムンベース最終形は太鼓がドローン化その先にドローンミュージックがあった。 少しアンビエントな意味で、なんでもドローンにできる時代 しかし最高に好きだったのはその道の古典で「ミニマル四天王」の一人とも言われるラ・モンテ・ヤング(La Monte Young)
ラ・モンテ・ヤング - Wikipedia
La Monte Young/Marian Zazeela - Just Charles & Cello in the Romantic Chord (Part 1/2)
米田が語っていた「ピアノを1〜2ヶ月かけて純正律にチューニングし、ながーい音に聞こえるように連打する作品“よく調律されたピアノ(Well-tuned Piano)”」
The Well-Tuned Piano
Ryuta Mizkamiさんとサウンド・アート・プロジェクト「mooor」結成、アルバム『Elmer and Elsie』をリリース
mooor - elmer and elsie
30才前くらいからレコーダーを持ち歩き録音するようになった。 レコーダーが小型化して携帯しやすくなった。
直島の地中美術館、大きな玉が配置されすべてがドローン化してしまうような素敵な場所で録音を始めたところ、学芸員に指導されてしまう。怯まず「この音って誰のものなんですか?」と反論する。
壁の写真も撮り続けている。しばしば奇人と思われる。Nonturnの公式サイトにて写真を公開中
そもそも器楽って?
人間は大昔から、石や木を鳴らしたり、太鼓を発明したり、指笛を吹いたり、自らの能力を拡張するために道具を使って音を鳴らしてきた。それが器楽的音楽の始まり
〜グレゴリオ聖歌、宗教革命、バッハ、ベートーヴェン、産業革命、二つの世界大戦等々....ものすごおおおおおおく時を経て〜
録音技術はすさまじく発達 テクノロジーの発達が、器楽音楽と異なる流れを生み出した。 それが、ミュージック・コンクレート
ミュジック・コンクレート
サンプリングミュージックのはじまりでも、今聴いてもかっこいいので色々検索してみてほしい。ファットボーイ・スリムなどがリミックスしていたりもする
ミュージック・コンクレートや電子音楽の登場で、器楽からの逸脱だけでなく、12音階から飛び出すなど、いろんなものから脱出することができた。
器楽的には、5度とか3度とか周波数が単純に表現できるほうが協和して気持ち良いと言える。
不協和音を視覚化する
自然界の音で気持ちよいと思う音は? 水の音、木の音、鉄の音など、生存に関連する音がいい音だと思う傾向はある。生きていくうえで「邪魔ではない?」「何かひっかかる?」「空気みたい?」 な音水の音に例えればピッチの音、ホワイトノイズではだめ。エンベロープは関係している気がする。
日常の音をサンプリングしてリミックスする米田のASMRミュージック
BGMのないスーパーは居心地が悪い。普段は意識してないけど無いと違和感を感じる音ってある。気持ち悪さをなくす」と「気持ちよくなる」は基準が異なる。
音は別の空間に行ったような感覚を呼び起こすもの。聞き手の経験(ライフヒストリー)に基づく
共感のメカニズム小田部おすすめ『メモリースケープ』小泉恭子
CD HATAのサウンドスケープ
ずっと超越的な音楽への憧れをもってきていた。テクノロジーの進歩で音楽家は前進できる。自分はテクノロジーを生み出す側ではなく、それに乗っかって何かを作る人間なので、今後もサイエンティストにがんばってほしい。彼らの生み出す未来がよい方向に向かうものなのかどうかはわからないが、自分も次の段階へ行けるかも