ドップラー効果
とても身近な現象の一つである「ドップラー効果」 「ピーポーピーポー」という救急車の音がまさにそれです。 救急車の位置によって音程が変化して聞こえてきますよね。
古くからこの現象は人々に認知されていましたが、ドップラー効果という名前が付いたのが1842年。オーストラリアの物理学者 クリスチャン・ドップラーさんが速度と周波数の関係を示す数式を見出したのが始まりです。
この現象は、音速(大気中だと約340m/s)に救急車の速度がプラスされることで起こります。
音の波長を見てみると、
・救急車(音源)が近づいてくるとき→波長は短く、周波数は高い=高い音
・救急車(音源)が遠ざかっていくとき→波長は長く、周波数が低い=低い音
つまり、音の波が早く到達すると音は高く聞こえ、ゆっくり到達すると音は低く聞こえる。ということになります。
こういった原理を応用しているのが、レスリースピーカー。
よくオルガンの演奏などに使われている、ホーン部分が回転するスピーカーです。 これによりピッチを周期的に変化させるビブラートやトレモロ・コーラスの効果をもたらします。
このスピーカーを利用した楽器が、有名なハモンドオルガン。
1930年代初頭、ローレンスハモンドさんによって開発されたこのオルガンは、高価なパイプオルガンを設置できない黒人居住地区の教会に導入されることが多く、ゴスペルとともにそのサウンドが広まっていきます。
その後1940年代に入ると、ハモンドオルガンを身近に感じて育った子供たちがジャズミュージシャンとなり、ピアノとは別の選択肢として演奏に導入するようになったと言われています。
ソウルジャズのスタイルを確立したジミー・スミスは、その代表的な人物として知られていますね。
さて、長くなってしまわないうちにこの辺で、いかがでしたでしょうか。
こちらで紹介したのはドップラー効果を表現として応用している例ですが、この現象は超音波診断装置という医療機器にも使用されており、人々の暮らしにも大きく役立っています。音を使うことで、直接目に見えない・触ることができない部分をその外側から認知することができてしまうんですね。認知を手助けしてくれる存在として、ドップラーさんには今後ともお世話になります・・・!
以上、第3回けんじろうの音コラムでした。
次回もお楽しみに!